星降りぬ

書かねば。

Wordのルビ「右縦寄せ」の謎

 ちょっと用があって、過去に作ったWord文書をいじっていたらこんなものを見つけました。

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 「配置」の部分にある 「 右 縦 寄 せ 」という選択肢。

 

 なんだろうなーと不思議におもい、新しい文書ファイルで(古いファイルは変に壊したくない)この機能を試そうとしたところ、

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あれ?

 

……無い。

 

 はい、この「右縦寄せ」は現在のWord 2016には存在しない機能です。

 もともとの用事を放置して、ググったりMicrosoftのサポートに電話したりと3時間ほど調べたところ、「右縦寄せ」はWord 2007くらいまでは実装されていたものの、Word 2016ではなくなってしまったことがわかりました。

 ルビの配置をそれぞれ比べてみると、次のようになります。一目見てわかるとおり、「右縦寄せ」は、“文字の右側に縦書きでルビを振る” というもののようです。

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 ただ、Word 2016でもさっきみたいに(Word 2007以前の環境でつくった)古いファイルを開けばちゃんと「右縦寄せ」が表示されるわけで、ウラ機能としてちゃっかり残っています。そしてちょっと手間ですが、Word 2016で新たに「右縦寄せ」を含む文章をつくることも可能でした。

 

 Microsoft Wordのルビ機能は、ルビ機能として単体で存在するわけではなく、数式などでみるような特殊な文字の並べ方を指定するための「数式フィールド(EQフィールド)」を使いまわしたものです。

 たとえば、適当にルビ付き文字をつくった後に「フィールドコードを表示」を選ぶか、「Alt」と「F9」を同時に押すかをしてみてください。次のように表示されるはずです。f:id:kagami_sensei:20161203032620p:plain

  暗号のようなものが表示されました。これがルビの正体だそうです。

(比較のため、元の文章「氷を」とフィールドコードを上下に並べています)

 文字の配置は「\* jc2」の部分です。「jc2」は、配置のさせ方の2番、すなわち「均等割り付け2」を意味しています。先の配置の比較の図にもすでに書いておきましたが、この数字をいじれば、ルビの配置を変えることができます

 一般的にはもう設定できない「右縦寄せ」も、配置の5番「jc5」に割り振られています。試しに「jc2」を「jc5」に書き換えてから戻してみてください(選択して右クリックから「フィールドコードを非表示」、もしくは再度「Alt」+「F9」)。

 

 ね、「右縦寄せ」になったでしょう?

 

 「右縦寄せ」について調べても出てこなかったので、自分でまとめちゃいました。互換性を保つためか、Word 2016でもひっそりと生き残っていますが、基本的にはもう表立って指定できなくなってしまった設定です。いつ完全に削除されてしまってもおかしくありませんので、今後は使わないほうが無難かもしれません。

 その他「数式フィールド」については、すでに様々な方がまとめてくださっていますので各自おググりいただいて、そちらを参照してください。